「えるぼし認定」とは?
「女性が活躍できる会社で働きたい」──そう思っても、求人情報だけでは実際の環境までは分かりづらいもの。そんな時に参考になるのが、厚生労働省の「えるぼし認定」です。えるぼしは、女性の活躍を積極的に進めている企業に与えられるマークで、採用・継続就業・管理職比率など、5つの項目で評価されます。この記事では、えるぼしの仕組みや段階の違い、そして“ママが長く安心して働ける会社”を見分けるポイントを紹介します。
1. 「えるぼし」とは何か?
1-1. 制度の背景と目的
「えるぼし認定」は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(通称:女性活躍推進法)に基づき、女性の活躍を積極的に進める企業を国が認定する制度です。少子高齢化の進展や女性の就業率上昇にもかかわらず、管理職登用や継続就業率に男女差が残るという課題に対応するために設けられました。
「えるぼし」の「える」はアルファベットの「L」に由来し、「Lady(女性)」「Lead(手本)」「Laudable(称賛)」などを含む言葉として、“輝く女性が増えるように”という願いが込められています。
1-2. 「くるみん」との違い
目的が似ている制度として「くるみん認定」がありますが、焦点が異なります。くるみん認定は、子育て・仕事の両立支援(育児休業取得、短時間勤務制度など)に重点を置き、次世代育成支援対策推進法に基づいています。
一方、えるぼし認定は「女性が長く働き、管理職などリーダー層に登用される環境」「多様なキャリアコースの整備」など、女性のキャリア形成そのものにフォーカスしています。
2. 認定制度の仕組みと段階
2-1. 認定の段階と基準
えるぼし認定では、企業の女性活躍推進に関する取り組みを、次の5つの評価項目で測ります。
- 採用:男女別の採用倍率が同程度であることなど。
- 継続就業:女性の平均継続勤続年数などが一定条件を満たすこと。
- 労働時間等の働き方:時間外労働・休日労働の実績が基準内であること。
- 管理職比率:管理職に占める女性の割合や昇進の状況など。
- 多様なキャリアコース:非正規から正規への転換、女性のキャリアアップ支援など。
これら5項目のうち、達成した項目数に応じて「1段階目」「2段階目」「3段階目」と認定レベルが決まります。3段階目は5項目すべてを満たす必要があります。さらに、2020年6月からは、より高い実績を上げている企業に対して「プラチナえるぼし認定」という上位認定が設けられています。
2-2. 中小企業にも拡大する義務
令和4年4月1日からは、常時雇用する労働者数101人以上300人以下の事業主にも、行動計画の策定・届出や情報公表の義務が拡大されました。これにより、女性活躍推進の枠組みが、より幅広い企業に広がっています。
3. ママ社員にとっての“えるぼし企業”を選ぶ視点
3-1. 採用時・求人情報の視点
求人票や会社ホームページで「えるぼし認定取得」「女性管理職比率」「キャリア支援制度あり」などの記載がある企業は、女性が長く働きやすい環境である可能性が高まります。「採用男女比」「継続就業実績」などを公表しているかも一つの基準です。
3-2. 自分らしいキャリア継続につながる環境
時短・在宅・フレックス制度があっても、「上司が理解していない」「制度のみあって活用しづらい」という声は少なくありません。えるぼし認定企業では、制度だけでなく「女性が管理職・リーダーとして活躍する環境」が整えられていることが多く、制度利用後もキャリア継続の可能性が高まります。
3-3. 長く働く安心感
育児・介護・ライフステージの変化を経ても働き続けられる環境は、ママ社員にとって大きな安心材料です。「女性活躍企業=入社して終わり」ではなく、「復職後・管理職昇進後」のストーリーが描ける会社かどうかを見極めましょう。
4. 企業がえるぼしを取得するメリット
- 優秀な人材の採用につながる。
- 社内の制度整備・長期的な人材定着が促進される。
- 公共調達や金融優遇などで“女性活躍推進企業”として社会的評価を得られる。
このように、認定制度は女子社員だけでなく会社の成長・競争力にも直結しています。
5. ママがチェックすべき“活用ポイント”
- 認定レベルが高いほど「制度実績」が豊富=安心感あり。
- 「女性活躍推進企業データベース」などで、実績データが公表されているか。
- 面接時に「キャリアサポート」「管理職登用」「制度利用実績」などを具体的に質問する。
- 入社後の育休・復職制度と連動しているかを確認。
- 認定があっても“制度が形骸化していないか”を社内の声・口コミで確認。
6. まとめ:「えるぼし」を使ったママの企業選び
「えるぼし認定」は、ママが安心して働き続けられる企業を選ぶ際の重要な指針のひとつです。もちろん「認定=すべて完璧」ではありませんが、制度・実績・文化がある程度整っている可能性が高く、“働きやすさ”の土台ができていると考えられます。
子育てと仕事の両立や、キャリアをあきらめたくないママにとって、えるぼし認定を得た企業という選択肢は、安心と希望の両方を持たせてくれます。企業を選ぶとき、この制度を「灯り」にして、自分らしく働ける環境を見つけましょう。