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男性の育休ってどうなってるの?

「家族の時間」を大切にする働き方へ。産後パパ育休の仕組みと実情

男性の育休ってどうなってるの?家族全員で育児をシェアする時代へ

「夫にも育休を取ってほしいけど、会社で取れるのかな?」──そんな疑問を持つママも多いのではないでしょうか。近年は「産後パパ育休」など新しい制度が整い、男性の育休が少しずつ広がっています。
とはいえ、実際の取得率はまだ低く、職場の理解や空気が壁になることも。この記事では、男性育休の基本制度・最新データ・企業の取り組み事例を紹介しながら、“家族全員で育児をシェアするための現実的なヒント”をお届けします。

1. 男性育休の現状

かつて「育休=女性が取るもの」と思われていた時代は終わりつつあります。厚生労働省の発表によると、2023年度の男性育休取得率は30.4%と過去最高を記録しました。

一方で、女性の取得率(約88%)と比べると、まだ大きな差があります。多くの男性が「取りたいけど取りづらい」と感じる理由には、

  • 職場の理解が不足している
  • 代替要員がいない
  • 収入面の不安がある

などが挙げられます。しかし、制度は年々整備され、企業・社会の意識も確実に変化しています。

2. 制度の基本をおさらい

2-1. 育児休業(育休)とは

育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで(最長2歳まで延長可能)取得できる制度で、雇用保険に加入している労働者が対象です。期間中は「育児休業給付金」が支給され、休業開始から6か月間は賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。

2-2. 「産後パパ育休(出生時育児休業)」とは

2022年10月に新設された「産後パパ育休」は、子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる制度です。分割して2回まで取得できるのが特徴で、「出産直後に数日」「ママが復帰する前にもう一度」など、柔軟な使い方が可能になりました。

また、企業は男性社員に対して育休取得の意向確認と制度周知を行う義務があります。つまり、今では「制度を知らないまま取らなかった」という状況を減らす仕組みが整っているのです。

3. 男性が育休を取るメリット

3-1. 家族の絆が深まる

厚生労働省の調査によると、父親が育休を取った家庭では、夫婦の会話時間が増え、育児ストレスが軽減する傾向が見られます。特に、生後すぐの時期に父親が育児・家事をサポートすることで、ママの心身の回復が早まり、夫婦の協力体制がスムーズに築かれやすくなります。

3-2. 子どもの発達に良い影響

父親が子育てに関わるほど、子どもの情緒が安定し、社会性の発達にも良い影響があるという研究結果もあります。特に乳児期は、抱っこ・沐浴・寝かしつけなどのスキンシップを通して父子の信頼関係を築く大切な時期です。

3-3. キャリアにもプラスの影響

「育休を取ると出世が遅れるのでは」と心配する男性もいますが、実際には、育休を経験した男性社員の方がマネジメント力・共感力が高まるという調査結果があります。家庭と仕事の両方を理解できるリーダーとして信頼を得やすくなる点でもメリットがあります。

4. 職場での壁と、変わり始めた風

4-1. 「取りにくい空気」問題

「誰も取っていないから言い出しづらい」「代わりがいない」といった心理的ハードルは根強く存在します。しかし、最近では上司自身が率先して育休を取る企業も増えています。管理職の行動が変わることで、部下も取得しやすくなる“文化の連鎖”が生まれているのです。

4-2. 「短期間でも意味がある」

「長期は無理だけど、数日だけでも手伝いたい」という男性も少なくありません。実際、産後パパ育休では1日単位でも取得可能です。短くても、“ママと赤ちゃんの生活リズムを一緒に作る期間”として大きな意味があります。

5. ママができる「後押し」

5-1. 一緒にスケジュールを立てる

「どの時期に、どんな目的で育休を取るか」を夫婦で話し合うことが大切です。「出産直後はサポート中心」「その後は保育園申請や検診同行」など、役割を明確にすると取りやすくなります。

5-2. 会社と情報を共有する

企業によっては、申請期限や対象条件が異なります。夫婦で企業サイトや就業規則を確認し、「制度が使える条件」を事前に把握しておくとスムーズです。

5-3. 「お互いさま」の視点を持つ

育休を取ることは、“誰かに迷惑をかけること”ではなく、“チーム全体の仕組みを強くする機会”です。ママ自身も、職場復帰のときに支えられる立場になるからこそ、「今はお互いさま」と考え、夫の背中を押してあげましょう。

6. 企業が進める最新の取り組み事例

  • 花王株式会社:男性の育休取得率100%を目標に掲げ、上司が率先して取得。
  • NTTデータ:男性社員の取得率90%を実現し、「育休を取るのが当たり前」の文化を浸透。
  • ユニリーバ・ジャパン:「Paternity Leave」として男女問わず16週間の有給育休を導入。

これらの企業に共通しているのは、制度を整えるだけでなく、管理職教育・社内周知を徹底している点です。

7. まとめ:男性育休は、家族と社会の「新しい当たり前」へ

男性育休は、“家事や育児を手伝うための休み”ではなく、「家族として、父親としての時間を持つ権利」です。同時に、それはママが安心して復職するための大切な支えでもあります。これからは「取れる会社」ではなく「取りやすい会社」が選ばれる時代。

夫婦で制度を理解し、働く環境に合わせて柔軟に計画を立てることで、お互いが無理なく支え合える家族のかたちを築いていきましょう。