働き方を選ぶ

フレックス勤務のメリット・デメリット

「時間を選べる働き方」で両立をラクに。自由と自己管理のリアル

フレックスタイム制度:基本・メリット/デメリット

朝の送り迎えや夕方の通院、家庭の予定などに合わせて働ける“フレックス勤務”。「もっと自由に働ける」と感じる一方で、「逆に時間管理が難しい」と悩む声も少なくありません。フレックス制度は、うまく使えば家庭との両立を助けてくれる心強い仕組みですが、その自由度の高さゆえに、自己管理やチームとの連携力も求められます。この記事では、フレックスタイムの基本からメリット・デメリット、そしてママが上手に使いこなすためのポイントを紹介します。

1. フレックスタイム制度とは

フレックスタイム制度は、労働者があらかじめ設定された清算期間(例:1か月~3か月)内で、定められた総労働時間の範囲内で“始業・終業時刻を自ら選択できる”勤務制度です。たとえば「朝は子どもの送りを終えてから出勤」「夕方は習いごとの時間に合わせて早めに仕事を切り上げる」というように、自分の生活リズムに合わせて働ける柔軟な働き方が可能です。

ただし、単に“自由な出勤時間”ではなく、制度を適切に運用するためには「労使協定」「就業規則」「清算期間・総労働時間」「コアタイム・フレキシブルタイムの設定」などの仕組み整備が必要です。ママ社員にとってこの制度は、“保育園・幼稚園の送り迎え”“家事との両立”“通勤ラッシュの回避”など、働く時間・生活時間を無理なくデザインできる選択肢になります。

しかし、自らの時間管理力やチームとの連携など、運用時のノウハウも同時に求められるため、「制度がある=安心」というわけではありません。

2. メリット:ママ社員・企業双方にとっての価値

2-1. ライフスタイルに合わせた出退勤ができる

フレックスタイム制度の最大の魅力は、自分の生活リズムに合わせて勤務時間をコントロールできる点です。たとえば「保育園の送りが終わってから出勤」「通勤ラッシュを避けて10時出社」などが可能です。特に育児・家事を抱えるママにとって、時間のゆとりは心の余裕にもつながります。通勤ストレスの軽減や、子どもと過ごす時間を確保しながら働ける安心感も大きなメリットです。

2-2. 残業削減・生産性向上につながる

柔軟に始業・終業時刻を選べることで、「朝から無駄に長時間働いてしまう」「退社後に予定どおり動けない」といった時間ロスを減らすことができます。例えば、朝早く出勤していた分、夕方早めに切り上げられれば“長時間拘束”を避けられます。企業側にとっても、社員が“最も集中できる時間帯”で働ける環境づくりをすることで、生産性の向上や離職率の低下という成果が期待できます。

2-3. 採用・定着における魅力強化

ワーク・ライフ・バランスが重視される時代において、フレックスタイム制度を導入していることは、求人市場における訴求ポイントになります。特に「両立を前提に働きたいママ」「育児とキャリアを両立したい人材」にとって魅力的です。企業側も柔軟な働き方を提示することで優秀な人材を確保しやすくなります。

3. デメリット・注意点:ママ社員が知っておきたいリアルなハードル

3-1. チームとの連携・コミュニケーションが難しくなる

勤務時間を個々人が自由に選ぶため、チームメンバーや上司・取引先と“いつ連絡が取れるか”“誰が出勤しているか”の可視化が難しくなることがあります。特に、複数人でプロジェクトを進める部署や、リアルタイムで対応が求められる業務では、調整コストが増えたり、意思決定が遅れたりする可能性があります。

3-2. 自己管理が求められる/時間配分の偏りリスク

フレックス制度では自分で始業・終業を決めるため、自己管理能力が問われます。時間管理が不得意な場合、「今日は出社を遅らせたら終業も遅れてしまった」「集中できず終わらない仕事を後日持ち越した」など、働き方が偏りがちになることがあります。

また、清算期間内での総労働時間を超えないように調整する必要があるため、月末に“余分に働く”ことを余儀なくされるケースもあります。これを意識せずに使うと、結果的に過重労働のリスクも生まれます。

3-3. 勤怠管理・制度運用の複雑化

勤務時間が多様化することで、勤怠管理が従来より煩雑になります。清算期間の設定・総労働時間・残業の算定など、ルールが複雑になるため、人事・労務担当者の負担が増える場合もあります。ママ社員としても、「始業・終業時間が多様化している職場では、制度の説明が不十分」「上司によって理解度・運用が異なる」といった実態を感じることがあります。

3-4. 顧客対応・対応時間確保のリスク

特に外部企業・顧客と連携する業務では、担当者が出勤していない時間帯に連絡が入るケースがあります。フレックス勤務であっても、顧客対応時間が決まっている場合には、勤務時間を柔軟にしすぎると“対応できない時間帯が生まれる”リスクがあります。このため、部署ごとに「コアタイムの設定」「交代制・当番制」「必ず誰かが勤務している時間帯の確保」などの工夫が求められます。

4. ママが使うための“使いこなし”ポイント

  • 上司・チームとの「共通コアタイム」を確認する: 子どもの送り迎え・習いごとなど生活時間を調整するなら、「この時間は必ず出席する」「この時間は柔軟に動ける」というチームルールを確認しておくと安心です。
  • 自己管理ツールを整備する: 始業・終業時刻を自由にできる分、タスク管理・時間配分・集中時間の確保などを意識しましょう。タイムブロッキング・タスク分割などが有効です。
  • 勤務パターンをチームに共有する: 「今日は9時開始」「今日は10時開始」など自分の出勤時間帯をチームや上司に予め伝えることで、連携のズレを防げます。
  • 制度を“使うだけ”で終わらせない: 例えば「フレックスを使って16時退勤→でも終業後に家事・育児で疲れた…」という状態にならないよう、「この時間帯に何を成し遂げるか」「効率を上げるにはどう働くか」を意識することが重要です。

5. まとめ:柔軟性を味方にするために

フレックスタイム制度は、ママ社員にとって「時間を選びながら働ける」「通勤・育児・家事とのバランスを取りやすい」強力なツールです。しかし制度導入そのものが“安心”ではなく、実際に活用できるかどうかは、制度環境+チームカルチャー+自己管理力の3つで決まります。制度が“働き方の選択肢”として機能している職場では、ママが無理なくキャリアを継続しやすくなります。制度を味方につけて、「時間に振り回される働き方」から「時間をデザインする働き方」へ、一歩踏み出しましょう。